明石脊椎外科・腰痛センター 脊髄モニタリング

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脊髄モニタリング

 脊髄モニタリングとは、脊椎手術を安全に行うためのシステムです。欧米では、ほぼ全ての脊椎手術で、このシステムが使用されています。しかし、残念ながら、日本では十分に普及しておりません。当院では、手術の「安全性」を重視しております。そのため、原則として、すべての脊椎手術に、脊髄モニタリング(NVM-5®)を使用しています。

アラームを数値、色、音でリアルタイムに表示します
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術中操作により神経組織への障害があった場合に生じる電気信号を読み取り、アラームを音、色、波形で知らせます
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 脊椎手術は全身麻酔で行うため、手術中に、患者さんは深く眠っています。そのため、以前は、手術中に、神経障害が出現しているか否かを確認することはできませんでした。しかし、近年、術中に神経の状態を観察可能な安全装置が開発され、改良されてきました。それが、脊髄モニタリングです。

 手術中に、頭から弱い電気刺激を送り、手足の筋肉の電流をモニター上で確認します。脊髄モニタリングシステムは、手術中の操作により、神経への障害があった場合に生じる電気信号を読み取り、アラームを音、色、波形で執刀医へ知らせます。特に、脊椎をスクリューで固定する手術では有用性が高く,スクリューに微弱な電流を流して手足の筋肉の電流をモニターすることにより、安全にスクリューを挿入することができます。こうすることで、脊椎手術の安全性が高まります。しかし、たとえ脊髄モニタリングを行っていても、避けられない麻痺が出現することはあります。脊髄モニタリングの有用性についての報告は多く、手術の安全性の向上につながっていますが、手術部位・術式・麻酔法によってはモニタリングの有用性が得られにくいこともあります。