整形外科

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手根管症候群について

症状と診断

手根管症候群は手のしびれの原因として代表的な病気です。手の神経(正中神経)が手首にある手根管というトンネル内で圧迫されることによりしびれが生じます。
しびれが親指から薬指の親指側にあります。小指がしびれることはありません。手首を手のひら側に曲げると指先のしびれがひどくなることもあります。
症状が進むと、手のひらの親指側の筋肉(母指球筋)がやせて手の形が悪くなり、指先の細かい動作が困難になります。外来ではこのような症状を確認し筋電図検査で診断します。

治療

1) 日常生活では手を使いすぎないことを心がけましょう。
2) 消炎鎮痛剤も初期には効果があります。
3) ステロイドホルモン剤の内服を処方する場合もあります。
4) 上記の治療が効果なく、日常生活で困るときに手術を考えます。

手術

【 1 】 内視鏡を用いた手根管開放手術
内視鏡により圧迫している横手根靱帯を切離します。
局所麻酔剤で麻酔後に手首の約1.5cmの皮膚を切開し透明なプラスチック筒を手の平に向けて差し込み、その中に内視鏡を挿入します。
モニター画面を見ながら神経を圧迫している靱帯を切開します。手術時間は麻酔を含めて10分~20分程です。
抜糸は必要ありませんが、傷が完全にふさがるまで10日間くらいかかります。術後の傷は、10日間程度は濡らさないでください。手を使って立ち上がる時に手のひらをつくことや、物を強く握るなどの重労働は1ヶ月程度しないことが良い結果につながります。

内視鏡を用いた手根管開放手術

【 2 】 手のひらを切開する手根管開放術
当院でも手のひらの親指側の筋肉(母指球筋)の萎縮がひどい場合に、母指球にまわる運動神経の確認をするために行うことがあります。